ビッグデータ時代における、現代企業の文書管理の課題とは?―データ管理・活用を支援する株式会社アズコムデータセキュリティにインタビュー!

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 5G、AI(人工知能)によるビッグデータの活用や、4K・8K映像の編集など、企業が扱うデータは近年急増し、情報・データの持つ価値はますます高まっています。企業が持つ情報が、今後のビジネスを左右する時代となり、今、その情報の適切な管理が求められています。
 今回取材させていただいたのは、データの管理・活用をワンストップで支援するサービスを提供している、株式会社アズコムデータセキュリティ取締役兼ソリューション営業部長で文書情報管理士の辻昌さんです。今回は、こうした情報化社会の中において、同社のサービスが果たす役割やその内容、さらにデジタル化が進む現代社会における、今の企業の文書管理の現状などについてお伺いします。

1.サービスの特長は、書類一枚単位で管理し、リアルタイムに検索や取り寄せができること

Q.ではまず、会社を設立した背景についてお聞かせください。

辻 昌氏(以下、辻さん):当社は2000年に親会社である株式会社丸和運輸機関の文書保管事業として発足しました。そして2004年に株式会社アズコムデータセキュリティを設立。強固な地盤を有する埼玉県の秩父市にセキュリティセンターを開所し、2014年に本社を秩父市に移転しました。秩父市に移転したのは、事業場の利点以外に地域貢献の意味を含みます。

Q.地盤が強固な秩父にセンターがあるのは安心ですね。では、事業内容についてお聞かせください。御社の特長は何でしょうか。

辻さん:文書の保管から、データの変換、機密抹消処理までの一元管理を実現する「データ・マネジメント・ソリューション」と、”必要な情報を必要な時に”を実現する「オンデマンド・ソリューション」の2本柱です。特にオンデマンド運用について特長的なのは、書類一枚単位で管理すること。通常、お客様の書類の中身は確認せず、箱単位で保管することが多いですが、当社のサービスでは一枚単位で管理し、お客様と共有することにより、いつでもリアルタイムに検索し、取り寄せることができます。
 お客様とオンラインで共有する際は電子化をするのですが、何でもむやみに電子化するのではなく、必要なものだけを電子化し、それ以外は紙で保管します。お客様は都心にオフィスがあることが多いので、すぐに閲覧したいときはオンデマンドシステムで閲覧依頼をかけていただきます。そうすると、センターは最短20分で電子化し、お客様がPCで見られる状態にします。原本が必要な場合は、依頼していただければ翌日に届くように手配します。電子化が促進されている今、お客様におすすめしたいのがこの「オンデマンド・ソリューション」です。

Q.すぐに閲覧できるシステムは便利ですね。お客様はどのような業界が多いのでしょうか。

辻さん:紙の原本を大量に持っているところ、例えば紙の契約書が多い企業です。フランチャイズ契約で多店舗展開をされている業界や、不動産、賃貸管理等の業界になるかと思われます。そういった業界はまだまだ紙文化が根付いています。
 特に東京のオフィスだとスペースが狭く家賃も高いので、長期間使わない書類を秩父のセンターに預けていただき、スペースを空けるだけでコストを削減できます。

2.デジタル化社会でも、紙は増え続けている

Q.お客様が抱えている課題の多くは何でしょうか?

辻さん:お客様が困っていることの多くは、書類スペースの問題ですね。世の中は電子化の流れになっていますが、依然として紙は増え続けています。整理が追い付いていないお客様も数多くいらっしゃいます。
 このように、デジタル化社会への移行期にいる今の時代は、電子と紙に挟まれ、結局そのままの状態で放っておかれることも多々あります。しかし、もちろんそれではダメで、しっかりと区別して管理しなければなりません。そのため弊社では電子化のコンサルティングもやっております。

 また、近年話題になっている働き方改革。この影響で外部委託サービスを利用するニーズが出てきています。例えば、フリースペースを設けるために無駄なスペースを失くしたいので、書類をどう整理し動かすか、また、在宅勤務制度を導入するために、どこでも作業可能で、社員が共有できるような環境を構築したい、そのために社内の書類を電子化したいというニーズなどです。このように社内の中でペーパレス化を進めようとしている企業も多くなっています。

 他にも、セキュリティ面で対策したいという企業もあります。原本の無断持ち出しを無くしたり、不特定多数の人がアクセスできないように外部に預けるというケースです。

 さらに近年特に多いのがBCP観点での課題です。倉庫の多くは湾岸地域にありますが、2011年3月11日に起きた東日本大震災の津波で浸水した企業も少なくありませんでした。それ以降、内陸に保管した方がいいのでは!?という声も多く聞かれるようになりました。
 秩父は地盤が強く、比較的揺れにくく、液状化もしにくい地域です※1。また、当社の秩父セキュリティセンターは、台風で洪水や川の氾濫が起きたとしても、高低差80m以上の高台にあるので心配ありません。3.11の震災や相次ぐ台風(2019年10月の台風19号など)以降、そういった災害への対策意識は高まってきました。

Q.印刷・情報用紙の使用量は減ってきていますが、保管となると増えていますね。では、御社で今課題と思っているところは何でしょうか。

辻さん:おっしゃる通り、世の中はデジタル化が進んでいます。先ほど紙は増え続けていると言いましたが、いずれどこかでピークアウトすると思います。したがって、先のことを考え、アナログ保管からデジタル保管にも視野を広げて行く必要はあると認識しています。
 それと、丸和グループは物流会社としての強みを活かし、BCP物流事業にも力を入れ始めています。丸和グループでは、既に複数の自治体とBCP協定を締結しており、災害が発生した際には優先的に救援物資を運びます。当社としては、その救援物資等を地盤の強い秩父で保管するといった新しい領域の事業も広げていきたいと考えています。

Q災害対策需要はますます高まってきていますから、デジタルデータの管理も含めて、今後も広がっていきそうですね。そういえば御社は、地元地域の社会貢献活動もやられているようですね。

辻さん:はい。地元秩父のお祭りやイベントに協賛しています。例えば、国の無形民俗文化財に指定された「龍勢祭り」や「吉田ほたるの郷の会」の支援活動です。「龍勢祭り」は、毎年10月の第2日曜日に開催され、約10万人もの人が集まります。「龍勢」とは手作りのロケット花火のことで、当日は30本の龍勢が天高く舞い上がります。こういった地域貢献も大切で、地域の人たちとコミュニケーションを取り信頼を得て事業を拡大していく、これも私たちの役割の一つです。

※1.地盤データと地震予測より参照

まとめ

 今はデジタル化が進んでおり、印刷・情報用紙の使用量は減ってきていますが、保管する紙の量は増えているとのこと。しっかりと紙の書類が整理され、必要なものだけを電子化できていればいいのですが、それがなかなか難しいというのが現状です。アズコムデータセキュリティの辻さんは、文書管理の重要性も同時に伝えていきたいとおっしゃっていました。今後ますます電子化が進みますが、紙も電子データも適切に管理することが大切です。データがますます価値を持っていく時代に、一度社内の管理体制を見直してみるのも重要です。

【株式会社アズコムデータセキュリティ 会社概要】
オフィスの文書の保管から廃棄まで、ドキュメント管理に関する総合的なサービスを提供。
災害・漏洩・紛失・盗難といあったあらゆるリスクからデータを守る堅牢性の高いセキュリティを基盤とした総合的な「データ・ソリューション」により、お客様のビジネスに最適なデータ・マネジメントを実現します。データ保全推進研究会 正会員。

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